
自然の恵みを
その身に。
身にまとうことで
その美しさがいっそう際立つ
IKTTのシルク。
開催日時
2025/7/12(土)-13(日) 12:00-17:00
本展について
インドシナ原産の黄色い生糸を手引きし、自然染料で染め上げて手織りした、IKTTの絣布の展示と販売を行ないます。

現地では、桑を育て、その桑で蚕を飼い、その蚕の吐く糸を括り、その糸をさまざまな自然染料で染め、織り上げています。

その素材は、布の作り手の手の届くところにあります。
布の制作と作り手の暮らしが一体となった村、そこをわたしたちは「伝統の森」と呼んでいます。
糸を括る女性のかたわらには、その括り手の赤ちゃんがいます。
織り機の周りでは子どもたちが走り回っています。

完全自給とはいわずとも、豊かな時間が流れる暮らしのなかで、世界一と称されるまでになった布が作られているのです。
手引された生糸の質感は、一般的に思われているツルンとしたシルクとは異なります。
また、そのシルクは、草木染(=自然染色)とは思えないほどあざやか、かつ光沢のある色に染め上げられています。

会場には、カンボジアのシハモニ国王から「この布にはカンボジアの心がこもっている」と称賛されるまでになったすばらしいシルクの絣布も展示します。
また、日常的に身につけやすいショールやスカーフのほか、クメールシルクで作ったシュシュやヘアバンド、スカーフタイ、イヤリングなどもご用意いたします。その温かみのある質感を、ぜひとも会場で実際に触れて、身にまとってみてください。
「IKTT」とは
IKTT(Innovation of Khmer Traditional Textiles Organisation)は、カンボジアの伝統的絹織物の復興に携わってきた故・森本喜久男(写真右)が1996年に設立した現地NGOです。

内戦で途絶えかけていた伝統的な手法を復活させ、その制作のすべてを手の届くところ(つまりは、村のなか)で成立するように努めてきました。現地では創設者亡き後も、その志を受け継ぎ、すばらしいクメールシルクの制作を続け、さらにそれは進化し続けています。
IKTT : IKTT_official(@iktt_official)
IKTTの「伝統の森」とは
いい布を作るには、作り手が安心して仕事ができる場所が必要だ。いい布を作るには、その素材が作り手の手の届くところにあるべきだ。であるなら、染め織りに必要な素材が手に届くところにあるような環境を作ろう。そう考えた森本は、なんと「村」を作ってしまいました。それが現在の「伝統の森」です。
7/13(日)イベント:伝統の森再生計画トーク

▼7/13(日)15:00-16:00(開場14:45)
2025年から始動した伝統の森再生計画について、IKTTブランドディレクター岩本みどりが現地の状況をスライドと共にお話します。
登壇者:岩本みどり
IKTTブランドディレクター。2015年にIKTT伝統の森へ移住し、森本喜久男のアシスタントとして経験を積む。森本の逝去後は布づくりやブランディングに尽力するとともに、組織全体のマネジメント業務を担っている。
聞き手:鶴身印刷所 鶴身知子
伝統の森再生計画について
このプロジェクトは、IKTT創設者・森本喜久男のビジョンを受け継ぎ、カンボジアの伝統絹織物を真の意味で復活させることを目指しています。
その中心となる「伝統の森」は、森を再生し、職人たちが自然と共に暮らしながら織物を作る村です。
すでに確立されたこの仕組みをさらに発展させ、天然染料植物や桑の木の栽培、シルク生産を拡大することで、持続可能な織物づくりの環境を整えていきます。
そして、森本が私たちに残してくれたように、今を生きる私たちも、この伝統と森を次の世代へと繋いでいきます。
phteahのごはん

7/12-13(土日)12:00-17:00(限定20-30食)
池田でアジアごはんとギャラリーのお店をしているプテアのごはん。
7/12(土)はカンボジアカレー、7/13(日)は豚肉のっけごはんです。
ぜひカンボジアの味をお楽しみください。
印刷所より、本展に寄せて
2024年も開催した本展。
今回は現地ディレクターの岩本みどりさん在廊のもと、トークイベントやプテアさんの美味しいごはんと共に、更に厚みを増して行うことになりました。
森の中から生まれた、糸と色。
森の中で染めて、織られる布。
一度、触れて、纏ってみてください。
私は以前、ネックウォーマーを購入したのですが、冬場は身に着けて、炭焼きをしたり、木を伐ったりしています。
遠く離れた土地でも、樹々や大地は呼応するのでしょうか。
あたたかく、落ち着いた心持ちになります。
みなさまにとっての、すてきな一枚が見つかりますように。
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2024年、家主のIKTT探訪記はこちら。