
襤褸(ぼろ)は何代にも渡って受け継がれ、その時々の人の手によって無数の刺し子が施されています。
そんな襤褸に見られる刺し子には色々な当て布の止め方があります。
四方、のの字、いってこい、、、など。
針と糸で上下に刺していき布を止めていく。
シンプルなだけに奥が深いです。
物を大事に使うことから生まれた人々の知恵が詰まっています。
▼For foreigners
Sashiko Workshop: A Deep Dive into Japanese Craftsmanship
日時・料金
10/19(土)・11/16(土)・12/21(土)
10:00-12:30
4,500円 (消費税・材料費込)
持ち物は筆記用具のみです。
-初級の会(全四回)-
初めての方、模様に挑戦される方向けの会です。
A5サイズほどの小さな襤褸布の作成をします。
基本的な針や糸の使い方や布の止め方を、刺す模様を変えながら行っていきます。
1, 基本的な刺し方、道具の使い方
糸の取り方、綛糸(かせいと)の準備などを学びます。
2, 当て布の止め方
土台の布に小さなハギレを止めていく方法をお話します。
3, 運針について
刺し子の内容
上記の基本的なことを学びながら、刺し子の模様は以下の3パターンを回替わりで行っていきます。
▼初回の参加→基礎の刺し子

刺し子の基本的な運針を、数枚の端切れを刺すことで学びます。
▼2回目の参加→柿の花の模様を刺す

▼3回目の参加→麻の葉の模様を刺す

▼4回目の参加→七宝の模様を刺す
*****画像準備中
出来上がった布は、部屋に飾ったり、コースターや小さなランチョンマットなどにお使いいただけます。また、その襤褸布を用いて、新たなプロダクトと合わせることも可能です。
会の構成について
全4回となっておりますが、4回全て参加する必要はありません。
初回「基礎の刺し子」に参加された後、模様(柿の花・麻の葉・七宝)を学びたい方は、続けてお越しくださいませ。
襤褸とは

襤褸は木綿が貴重だった頃、東北地方を中心に使われてきた服、布のことで、擦り切れて穴が空いては布を当て刺し子で止める。そして使ってまた穴が空いては塞ぐ。
何度も何度も補修を繰り返していくうちに自然と全体が継ぎ接ぎだらけになり、何重にも層となって、独特の佇まいを生み出している。
ワークショップを行う人
JUN SUGIMAE
1983年、大阪府生まれ。
服飾学校在学中にテーラリングを学び、卒業後ロンドンへ渡る。現地でブランドのアシスタントやオペラ衣装制作など、多岐にわたるファッションの現場で経験を積む。2006年に帰国し、スポーツファッション業界に従事。
2015年に刺し子を始め、2018年にはスニーカーへの刺し子を本格的にスタート。
現代のプロダクトであるスニーカーやマウンテンパーカーに、針と糸のみを用いた補修や装飾を施す「刺し子」の手法を活かした作品を発表している。
https://www.instagram.com/junale
ワークショップの様子(午前-初級の会-)

刺し方を学びながら、上記のJunAleさんのサンプルも見つつ、針を進めていきます。

布に数枚の襤褸を刺していきます。
襤褸はそれぞれ皆様が選び、学んだ刺し方の中で、どのように刺していくかは自由です。

ワークショップの時間内に終わらなくても大丈夫です。
続きはご自宅で。ぜひすてきな1枚を作って頂ければと思います。
■基礎の布を使って
初級の会の1回目、基礎の刺し方で出来上がった布を用いて、後日、ソーイングセットを作られた方もいらっしゃいます。


参加された方のご感想
■このワークショップへの参加をされた「決め手」は何ですか?
・チクチク手仕事が好きで興味があり、以前、見せて頂いた(JunAleの)スニーカーに刺し子。なんと!どこにどないして刺してはるんですか!その大胆さと、なんかもうビビっと衝撃受けました!襤褸の刺し子。実際に触れてみたい、やってみたい!!!そう、それがきっかけで参加しました。
・インスタで、発見して、私のしたいことだったので、お伺いしました。とても、楽しい時間でした。
・刺し子に少し興味があって、junaleさんがワークショップをする。しかも”初心者向け”というところです。
・日本民藝館で東北の方々が木綿や麻布に刺子をして補強している作品?を拝見して綺麗だなぁと感じました。私自身、布のお直しに『刺子』と言う技術を気楽に取り入れられるようになれば、日常に豊かさが少しプラスされるのかなぁ。とも感じました。もちろん杉前潤先生の作品がとっても素敵なのも大きな要因でした。
・一年半前からダーニングとインド刺繍を始め、余った糸、ハギレを次に使うように残すようになりました。新聞に滋賀県立大教授 横田さんの「服の福」というコラムを見つけました。民家に残っていた仕事着の継ぎあてに見る美意識や先人の知恵について大変興味深く書かれていました。友人から日本の襤褸は世界的には有名であることを教えてもらい詳しく知りたくなりました。
・いま東京で刺し子を習っています。運針の練習と晒しで基本の布巾をやっています。キレイに作るのはいいことですが、刺し子ってそういうものなのかな…と思っている時に見つけました。
■ワークショップにおける「特にここが良かった!」という点は?
・襤褸の現物を見せてもらえたこと。なぜ糸がここでついであるのか、なぜ布がここに当ててあるのか
を、丁寧に教えていただきました。近くの手芸店では売ってない色の糸も買えて大満足でした。
・晒でしか刺し子をやったことがなかったので、生地をあてて縫い留め、それを模様にしていくというのが楽しかったです。その中で模様も補強になるのだなって勝手に感じました。
・ルールがなく、myルールで進められること。
・全てと言いたい。座学の刺し子の話も技法も判りやすく何度も繰り返し教えて下さり、なにもかもが新鮮でした。
・まだ基礎の段階だと思いますが、いろんな縫い方を知れて良かったです。全くやった事が無かったですし、手縫いもする機会があまり無かったので、楽しかったです。
・ゆっくりのんびりペースで進めて頂けた事。また、色々なレベルの方々とご一緒出来たのも楽しかったです。針仕事は得意ではありませんし、刺子自体初めての経験で、私自身は潤先生に言われた事を今回は何とな〜く行った。と言う感じでした。ですが、周囲の経験のある方々の針の進め方や、出来た作品を拝見して『後々はこの様な形(作品?)を目指したら良いのかも?』など先生以外の方からも見て学ぶ!事が出来ました。
・基本的なことから、針、糸や布の説明など、刺し子を進めるにあたってのポイントなどの説明も、わかりやすく、何より自分のペースで進めれるのがいいな。と思います。
実際に作品や貴重なものを見せてもらえるのもワクワクします。
■どんな人にこの講座をおすすめしますか?
・襤褸好き、カッコいいのが好きな方。
・布や糸を大切にされている方。物づくりに多くの時間と手間をかけることをいとわない方。
・刺し子を始めようとしてる人、襤褸に興味のある人、刺し子を我流でしてる人、いろんな国の縫い物を知りたい人、お裁縫に興味があるけど躊躇してる人にお勧めしたいです。
・私のように興味はあるけど、なかなかやってみる機会がなかった人。
・生活を楽しく豊かにしたい人。
・手仕事好きな方はもちろん、裁縫が苦手な方にも是非体験して欲しいですー。
ご予約
満席になり次第、締め切りとさせていただきます。
この会に寄せて(印刷所より)
襤褸と刺し子。
この二つについて、どちらか片方を知っている方、もしくはどちらもご存じない方が多いかもしれません。
JunAleさんから襤褸と刺し子の作品を初めて見せて頂いたとき、襤褸が何かも分からずですが、なんだか言葉に出来ない熱量・質量を感じたのを覚えています。
そうして、今回、この「襤褸の刺し子ワークショップ」を行うにあたり、「JunAleさんにとっての襤褸とは」ということと「刺し子との関係性」をお聞きし、自分が最初に感じたことが少し明るくなったように感じています。
上記の「襤褸とは」にあるように、この布は数百年以上前に、民間の暮らしの中で生まれたものです。
「限られた資源、環境の中、生み出された知恵の結晶であり、防寒、補強、補修、装飾と必要な応じて発展してきた」(JunAleWEBより抜粋)
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この布の経てきた時間。
人の手から手へ、その時代、当時の環境、それらが長い間、きっと布に宿り、継がれてきたからこそあるもの。
そこに我々日本人の民族性のようなもの-民族性という言葉より、もっと温度や質感のあるもの-を、JunAleさんが感じたときのお話もして下さいました。
同様に「襤褸に施されている無数の縫い目。それが刺し子の原点である」ということもお聞きしました。
刺し子というと、布巾に装飾と補強目的で刺しているもの、というのが私のイメージだったのですが、布が貴重な時代、衣類に対して行われていた技法が原点だというお話に、改めて「生活の中で生まれたもの」という当時の光景に思いを馳せずにはいられませんでした。
と、歴史的背景をお話をしましたが…。
このワークショップでは、とにもかくにも、襤褸を用いて刺し子をしていきます。
以下の写真は、JunAleさんの襤褸を直接、Tシャツなどに刺したものです(製作者は別の方々です)。


個人的な感想といたしまして、この襤褸の刺し子が入ったプロダクト、とってもかっこいい(もしくは美しい)です。この趣きは、襤褸だから出るものなのではないかなぁとも思っています。
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襤褸と、刺し子という技術に触れてみませんか。
このワークショップは初めての方向けとなっておりますので、基本的なことからお話してくださいます。
この布に時間の堆積を見ても、ただその布の存在がかっこいい!と感じてもOKで、まずはこの襤褸に触れて、刺すことをしてみて頂ければ嬉しく思います。
できあがった襤褸布は、そのまま使うもよし、それを帆布のかばんに縫い付けたり、衣類に縫い付けてもすてきだと思います。
みなさまのご参加をお待ちしております。