鶴身印刷所は、昭和14年築の元印刷工場を改修し、
2018年に文化複合施設としてはじまった建物です。
この場所はどのような場所なのかというと、その答えがあるようで、まだ、そこに行き着く途中のような気がしています。
家業であった印刷業を廃業にしたことから、新たなかたちで「ものづくり」の方が集う場所を作ろうと思いました(現在、建物内には店舗・アトリエ区画が11室あり、様々な業種のクリエイターの方が入居されています)。
ただ「ものづくり」という言葉が指し示すものだけでなく、表現の媒体は問わず、人が生きていく上での様々なことが豊かに起きて「自分の中にある”大切なこと”にふっと気づく」そんな、きっかけや発見がある場所でありたいと思っています。
それは、この建物が元々「小学校の講堂だった」という逸話を残しているからかもしれません。
何か「学ぶ」という大きな土台があるような気がしているのです。
例えるなら森の土のように何かが層になって存在していて、どのような芽が出て、花が咲いたり、木になったりするかは、その時々による。
かたちがあるようで、決まったかたちはない。
ある日は講座と呼ばれるものをしていると思います。
別の日は、ワークショップと呼ばれるものをしていると思います。
でも、コミュニティスペースという言葉はしっくりこないし、イベントスペースでもない。
この建物がいったい何なのかは、まだ言葉にできません。
ただ、その時々のこの場所の風景を、一緒に楽しんでいただけると嬉しく思います。