私たちが普段食べているお野菜。
これらがどのようなものか、皆さん、ご存知ですか?
私は種苗法のお話を少し聞きかじったくらいで、「在来種」「固定種」という名前をこれまで知りませんでした。
鶴身印刷所で昨年末から定食屋さんをして下さっているわっかのはるかさんから、このお話を教えてもらう機会があったので、彼女のお話を以下に記載したいと思います。
わっかのはるかさんによる「在来種と固定種」についてのお話
在来種、固定種の野菜とは何世代にも渡り種を自家採種し、大切に育てられてきた野菜です。
種を守り続けて来た人々がいたから、今私たちはその野菜を頂く事ができます。
今、私たちがよく口にしている野菜は一代限りのF1種という種から育てられた野菜です。
丈夫で形も均等に育ちやすく、収穫量も多い。
市場に受け入れられやすい事から多くの農家さんに使われる種になっています。
このF1種は別名不妊植物と言われています。
商業用として発達し、世界中のたくさんの農家さん達に愛用されているF1種ですが、本来、野菜は生き物。
本来の生命力溢れる野菜を後世に残したいと、今様々な農家さん、種屋さんなどが活動されています。
35年以上、長崎の雲仙で自然農法、自家採種を続けてこられた農家の岩崎さんという方がいらっしゃいます。
「守り続けても食べる人がいなければ、途絶えてしまう」
その思いを熱く語って下さいました。
守り、育てる人、そして調理し、食べる
この循環が無ければ、日本の気候と風土に根付いてきた野菜たちは失われていきます。
実際、日本の種屋さんで在来種、固定種の野菜の種を販売していても、売れなければ在庫限りで販売を終えるそうです。
それは今、野菜は私達の元にスーパーマーケットやネットなどで簡単に手に入る状況となっているから。
F1種の野菜はたくさんあるので、種を守り続ける必要性がなくなっているからです。
でも、大根は大根でも、大根にも色々な種類があります。
その土地土地に根付き愛されてきた野菜があったんです。
今たくさんの種が失われているそうです。
日本に根差した食べ物は、私達日本人の身体に合った栄養がたくさん含まれています。
何より、生命力があり、たくましく、そしてとても美味しい。
子孫を繋いで生き、
守り育てる農家さん達がいたから今ある野菜たち。
在来種と固定種の野菜をまずは食べてみませんか?
その美味しさにきっとびっくりすると思います。
家主、鶴身知子より
いかがでしょうか。
私たちが普段買い求めているお野菜は、確かにそれもおいしいとは思います。
ただ、私たちが生きる上で、本来、自然とは言いにくい方法で栽培され、それらを私たちは知らずに食べている。
もちろん、今、私たちがスーパーマーケットなどで生活に必要な食材を買うことが、どれだけ恩恵を受けているかというのも、十分に理解しますし、私自身もその一人です。
ただ、こういったことを知って、何を選択していくか、ということ。
(それが、今日1日だけでも、良いと思っています。
毎日できなくても。今、より良い方を選択して進んでみる、ということ)
どのような未来を自分の後の世代に残していきたいかを考えて動くこと。
私たちも、自然の中で生きている生命であるということ。
それらを大切にしたいのです。
わっかのはるかさんはお野菜のこと、農業にも興味を持たれ、ご自身で遠方まで学びに行かれています。
そして、在来種・固定種を育てていらっしゃる田中たねの農園さんという素晴らしい農家さんからお野菜を仕入れ、定食に使用したり、「ちびわっか野菜市」という名前で定食営業日に販売してくれています。
ぜひ、一度、買って食べてみてほしいです。
そのお野菜のすばらしさと、私たちの生命が「食べることによって作られている」こと、「自然という関わりの中に自分もいること」を、実感すると思います。
ちびわっか野菜市は、わっかさんの営業日に11~14時で開催しています。
営業日についてはこちらからご確認くださいませ。
前回の営業の様子はこちらから。