イベント

硝子と石をめぐる時間-硅砂組 個展-

ガラス、石、漆、金属等の素材を用いた表現を模索するアートユニット「硅砂組」による展示です。

石をめぐる悠久の変動
硝子にめぐる一瞬の光

石を探して 海を川を山を 歩き
光を探して ガラスを 熔かし削り重ねる

内容

ガラス、石、漆、金属等の素材を用いた表現を模索するアートユニット硅砂組による展示です。

かつて石版にインクを乗せた場所で、硅砂組は石とガラスを重ね、そこに生まれる景色を探ります。

開催日時

【日時】2023/6/9(金)-24(土)の金土日 12-19時
 →6/9(金)・6/10(土)・6/11(日)・6/16(金)・6/17(土)・6/18(日)・6/23(金)・6/24(土)

「硅砂組」とは

地震、噴火、洪水、堆積・・・
石は、地殻と気象の壮大な変動の中で生まれ、
変化する。

人は石を砕き、熔かし、混ぜ合わせ、
ガラスを生み出した。

私たちはそのガラスを、再び石に重ねる。

それは変動の一つ。

そしてそれは、
石の辿る変動のスケールの中では、
ほとんど何も起こっていないに等しい。

ガラス、石、漆、金属等の素材を用いた表現を模索するアートユニット。

ガラス部分は、バーナーワーク・キルンワーク・サンドブラスト・研磨等、各種技法を複合的に用いて制作。

制作に用いる鉱物および岩石は、メンバー自身が日本各地の山や川、海におもむき採取したもの。

2019:国際ガラス展金沢 金賞受賞
2022:伊丹国際クラフト展・国際ガラス展金沢 入選

■メンバープロフィール
田上惠美子:立命館大学文学部哲学科卒業
      日本現代ガラス展、日本クラフト展、現代ガラス大賞展富山 等、入賞入選
田上拓:京都工芸繊維大学機械システム工学卒業
    京都現代写真作家展 等、入選

硅砂組:https://www.instagram.com/keisagumi/

印刷所が思う、硅砂組さんのこと

「石」という素材。
自然が、長い長い年月をかけて、そのかたちにしたもの。

そこに「硝子」という
人が存在するからこそ生まれた素材が重なること。

上記にもあるように、珪砂組さんの作品はメンバーお二方が
全国各地の山や川、海で鉱物や石を採取し、製作されています。

石が石のかたちになるためには、どれくらいの年月が必要となるのでしょうか。

例えばですが、印刷所で使用している石版(石灰石)は、ドイツのゾルンホーフェンから採掘されたといわれており、ジュラ紀後期=1億5千万年以上前のものと言われています。

稀に、石の間に化石が混ざっているものもあるそうです。

これはとっても私見ですが、特に石版を研磨しているとき

私たちのこの身体も
きっと、長い年月をかけて何かを継いできていて

石がかたちになった時間と同じものが
自分の中にも流れているのでは、と、ふと思います。

ただ、少なくとも、自分たちの生きてきた年数という物差しでは
計りきれないものが石にはあると思います。

だから、惹かれるのかもしれないし、何かを思うのかもしれません。

硅砂組さんが作られる硝子は、その個体の美しさに、はっとします。

人が介在し、何かしらの意図を以て得た「かたち」。

一方で、石や金属と共にそこに在るとき
その硝子は硝子でありながらも、他の素材との関係性を示唆するような
何かの色を湛えているようにも見えるのです。

硅砂組さんはお二人、もしくはお一人が全日在廊されます。
硝子の作り方や、石のこと。
箔や漆。様々な素材と語らうお二人は、とてもあたたかなお人柄です。

ぜひ、展示会場にて、素材のことや製作のこと、各地を巡ったお話など
お二人とお話して頂ければ嬉しく思います。

また、当日は作品展示の他、硝子を用いた硅砂組さんのワークを見て頂くことも予定しています。

試して、考えて、立ち止まって、また進む。

「硝子と石をめぐる時間」
印刷所が硅砂組さんの実験室になる8日間。

どうぞ、みなさまのご高覧をお待ち申し上げております。