12/2(日)開催「わたしの日」に参加してくれるコーチ、西田博明さんが、
イベントの紹介に、こんなすてきな文章を書いてくれました。
イベントの紹介と言うより、鶴身印刷所と鶴身知子に対して、といった方が良いかもしれません。
西田さんの紹介文【還る、産まれる、あらたに授かる】
何だか、子宮に戻る気分です。
あれはちょうど2年ほど前。
師匠の大樹さんが大阪に、遊びにきてくれた時だった。
張り切って予約した、地元のレストランで食事したあと、
「おもしろい場所と、おもしろいコがいるから連れてくよ」
って、連れてってくれたのが、鶴身印刷であり、
紹介してくれたのが、突然後を継ぐことになってしまった、鶴身ともちゃんだった。
まだ改築よりよもっとまえ。何十年もの痕跡で、
真っ黒なしないになった床の、廃墟みたいな工場跡地だった。
なのに、あの廃墟は、なぜか暖かかった。
まだいろんなものが散らばっていて、きれいではない。
そして埃っぽい。空調もない。
居心地よくする要素なんて何一つないはずなのに、なぜか、ほっとする、ずっといたくなる所だった。
魂たちが、やさしく笑いかけ、抱きしめてくれるような、そんなエネルギーに包まれた場所だった。
ともちゃんは、まだ思い一つを胸に握りしめてるだけで。
いったいどんな物件ができるのが、いったい、鶴身印刷がどうなるのか、
おぼろげなイメージしかない状態で、そしておそらく、時には恐怖に震えながら、一歩一歩、踏み出しはじめた所だった。
そしてともちゃんが、京橋の大衆酒場で、熱燗をのみながら涙ながらに
「私はみんなの学び屋を造りたいんです」って語る姿を、よく覚えてる。
そして、あの暖かさはそのままに、鶴身印刷は、新しい場所として機能してる。
その流れのなかで、ともちゃんは、ともちゃんのまま、
聞こえない声に耳を済まし、
見えない、何かをみようとしながら、運営している。
あの場所で、みんなのお母さんであるような、そして妹であるような、
不思議なスタンスで、暖かい流れを泳ぎまわっている。
そして彼女がその流れにいることで、よりよいものが生まれている。
僕が起業したころ、インキュベーションセンターというものが、注目を浴びていた。
今でいう、シェアオフィスや、現在の鶴身印刷の仕事の一つである、コワーキングスペースの原型となるものだった。
インキュベーションとは、孵化、という意味。
新しいものが芽生え、温められ、育まれる。
そして命として、歩き始める場所。
鶴身印刷は、昔から、僕たちが産まれるずっとまえから、そんな場所だった。
いまならわかる。
あの廃墟の、不思議な暖かさは、胎内の暖かさだったんだと。
あの不思議なあかるさは、生まれようとする、そして育もうとする、喜びだったんだと。
年末、奇しくも、一年が終わり、新しい一年がうまれ始めるとき。
鶴身印刷で、みなさんとどんなものを生み出せるのか、
みなさんとどんなものを授かり、立ち会うことができるのか・・・
喜びと、厳粛な気持ちをもって、楽しみにしています。
家主、鶴身知子の感想
いかがでしたでしょうか。
西田さんと出会ったのは、鶴身印刷所をリノベーションしようと思い立ってから、3か月後、2017年1月です。
(また、リノベーションに関する経緯も、ブログにしたためていきたいと思います)
そのときから、彼は素晴らしいコーチで、私に対しても、友人として、とても良い関わりを持ってくれていました。
なんていうのかな、この文章を読んだとき、西田さんの記憶力と文章力に改めて感銘を受けたのと
2年前の出会った日を、場所を、状況を、質感を伴って思い出されたこと。
そして、西田さんの目を通して、鶴身印刷所と私自身をこのように見ていてもらったこと。
それが、心からうれしく思いました。
西田さんのブログはこちら。
すてきな想いがたくさん詰まっています。